CAMPUS2023
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 性感染症(STI= Sexually Transmitted Infections、STD= Sexually Transmitted Diseases)は、性行為などによって感染する病気のことです。STIの“Infections”は感染症というような意味で、STDの“Diseases”は病気という意味です。日本ではSTIもSTDも“性感染症”という意味で使用されています。 厚生労働省の統計によれば淋菌感染症、性器ヘルペス、尖圭コンジローマの感染報告数は平成14~15年をピークに徐々に減少していますが、梅毒は平成15年に最少報告数を記録しましたが、そこから増加に転じ平成25年には前年比1.4倍以上に増加すると毎年前年比1.5倍前後の増加率で増えています。結果的に平成15年と平成28年の患者数を比べると8.96倍に増えており、中でも20歳~25歳の年齢層では9.73倍という増加率になりました。 また、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することによって発症するエイズは、昭和50年代に出現し、平成19年に感染報告数が1,000件を超えてから横這い状態で1,000件を下回ることは無い状態です。HIV感染者は年齢的には20代~30代に集中し全体の64.1%を占めています。28 性感染症は文字どおり主に性行為によってウイルス、細菌、寄生虫などの病原体がうつることで感染します。しかし、ウイルス等は唾液や血液によっても感染する病気もありますので性行為だけが原因というわけではありません。たとえば、母親が感染者であるときに子が感染する母子感染(妊娠中に感染する胎内感染、出産時に感染する産道感染、母乳によって感染する母乳感染)や、注射器の使い回しによって血液を介して感染する場合もあります。 正しい知識と強い意志で性感染症から身を守りましょう。 性行為においては、どのような性生活を送ってきたのか不明瞭な相手との性行為は控えるべきです。また、別れや出会いなどで交際相手が変わることを繰り返していると、性行為への注意力が低下しがちなものです。たった一度の性行為でも感染することがあります。性行為に至る状況はいろいろあると思いますが、慎重に良く考え一時の雰囲気や感情に流されないように注意しましょう。 性感染症だけでなく他の感染症からの予防のためにも、入浴やシャワーだけでなく、手洗いやうがいなどで身体を清浄に保ち、衣類の洗濯や住居の掃除にも注意しましょう。病原体との接触をできるだけ下げることが予防につながります。 また、食事や睡眠など気を配り、健康な身体を維持することは免疫力の低下を防ぎます。 性感染症は血液や唾液その他体液等の接触によって感染するため、コンドームの使用で感染のリスクをさげることができます。また、当然のことながら性器等に傷を負っている場合や生理の時は性行為をしてはいけません。 すぐに医療機関(泌尿器科、婦人科等)で診療を受けましょう。予防措■性感染症にならないために1.自分を大切に2.健康的な生活環境を3.性行為においては4.意図しない性行為においては若者に広がる性感染症に注意

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